ツァイガルニク効果とは?学生の勉強・課題に活かせる心理学を徹底解説

大学生活
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テスト勉強を中断しても、頭の中で問題を考え続けちゃう

実はそれ、心理学で有名な「ツァイガルニク効果」によるものです。

学生にとっては特に、「レポート課題」「テスト勉強」「タスク管理」などの場面で応用できる心理です。

この記事では、ツァイガルニク効果についてわかりやすく解説しています。

ツァイガルニク効果とは?

心理学における定義

ツァイガルニク効果とは、

目標が達成される前の段階で作業が中断された課題(未完了課題)の方が、目標が達成されるまで作業が続けられた課題(完了課題)よりも確に記憶に残るという現象。

有斐閣現代心理学辞典 「ツァイガルニク効果」 p537

【心理学】なぜ未完了のことが気になるのか?

 目標が達成される前の段階で作業が中断された課題つまり「未完了課題」が気になるのは、脳が「まだ作業が完了していない」と認識するからです。

人間の脳は、「終わっていないこと」を非常に気にします。

例えば、

・提出していないレポート
・返信していないLINE
・解き終わっていない宿題

などが頭から離れなくなるのは、脳が「まだ処理が終わっていない」と認識しているからです。

逆に、完全に終わったタスクは脳が「処理済み」と判断し、記憶の優先順位を下げます。

課題が未完了のまま中断されると、目標に向かって進められていた作業への緊張が解消されないために想起されやすくなる。これに対して、完了した課題の場合は、緊張が解消されるので記憶に残らないと説明される。

有斐閣現代心理学辞典 「ツァイガルニク効果」 p537

学生が知っておくべきツァイガルニク効果の具体例

① レポート課題(大学生)

大学生がツァイガルニク効果を最も実感しやすいのがレポートです。

・タイトルだけ書く
・目次だけ作る
・導入だけ書く

この状態で一度やめると、脳は「未完了タスク」として認識します。

すると、「通学中」「お風呂」「寝る前」などでも無意識に続きを考え始めます。

これにより、再開ハードルが大きく下がります。

また無意識に考え続けているため、より具体的でよい意見が浮かぶ効果もあります。

② テスト勉強

テスト勉強を「キリのいいところ」で終わらせる人は多いですが、実は逆効果になることもあります。

ツァイガルニク効果を利用する時におすすめなのは

・問題を解き切らない
・次の章の冒頭だけ読む
・ノートを書き途中で止める

などです。

これにより脳が続きを覚えているため、翌日の勉強に入りやすくなります。

テスト勉強で煮詰まった時は試しに活用してみるのもよいでしょう。

ツァイガルニク効果とポモドーロ・テクニックの関係

ツァイガルニク効果はポモドーロ・テクニックと非常に相性が良いです。

ポモドーロ・テクニックとは25分集中して5分休む方法です。

勉強に合間に定期的な休みを挟むことによって集中力を続かせ、勉強の効果を高めるテクニックです。

この2つの効果を得るには「問題の途中でタイマーが鳴っても止める」ことが重要です。

中断によってツァイガルニク効果が働き、再集中しやすくなるからです。

ツァイガルニク効果のデメリット

効果がある一方で、ツァイガルニク効果にはデメリットもあります。

それは、未完了タスクが増えすぎると脳が疲れ、効果が薄れる点です。

未完了タスクが大量発生すると脳が常に、 「まだ終わってない」と緊張状態になるからです。

これは

・集中力低下
・不安
・ストレス
・脳疲労

につながります。

ツァイガルニク効果を十分に得るためにはやりすぎは逆効果です。

ツァイガルニク効果を活用した論文

 ①数学教育に応用

近年、ツァイガルニク効果は教育分野でも注目されています。

特に数学教育では、「解き切れない問い」が学習意欲を高める可能性が指摘されています。

例えば、「∞をどう扱うのか?」など、授業内で解決しきれない疑問を残すことで、学生の知的好奇心が持続するという考え方です。

これは、「未完了の問いが知的関心を維持する」というツァイガルニク効果の典型例といえます。

(参照:小 原 豊「数学的な「深い学び」による未完了行為とツァイガルニク効果」人間環境学会『紀要』第29号 19-24 Jury 2018 )

②観光業に応用

ツァイガルニク効果は観光業でも使われています。

従来の観光ナビは、「効率よく観光すること」を重視したものが中心でした。

しかし、この研究では、散策観光には偶然の発見や「また来たい」と思わせる体験が重要だと述べています。

例えば、現在の季節とは少しずれた観光写真を表示し、「今は見られない絶景」を見せることで、「次こそ見たい」という気持ちを引き出します。

このような未完了感、つまり「くやしさ」を感じる体験として設計することで、「また訪れたい」と思わせる新しい観光支援の形を提案されました。

(参照:益田真輝,仲谷善雄「くやしさを利用した観光地リピータ誘導の試み」第73回全国大会講演論文集 巻 2011, 1, p. 599-600, 2011-03-02)

 ツァイガルニク効果を深く学べる本

『心理学ビジュアル百科』

 まとめ

「ツァイガルニク効果」は「レポート課題」「テスト勉強」「タスク管理」などの場面で応用できます。

勉強やタスクをこなす時はこの効果を有効活用してみてください!

参考文献

益田真輝,仲谷善雄「くやしさを利用した観光地リピータ誘導の試み」第73回全国大会講演論文集巻 2011, 1

小原豊「数学的な「深い学び」による未完了行為とツァイガルニク効果」人間環境学会『紀要』第29 Jury 2018

子安増生, 丹野義彦, 箱田裕司監修「有斐閣現代心理学辞典」 東京 : 有斐閣, 2021.

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